【陸山会公判】廷内に響く笑い声…「隠し録音」再生に苦虫 “病み上がり出廷”の小沢被告

陸山会公判】

廷内に響く笑い声…「隠し録音」再生に苦虫 “病み上がり出廷”の小沢被告

2011.10.14 22:41
 「報告っていうのは本当に短い時間ですよ?」「じゃあ『短い時間でしたが、報告しました』っと」。資金管理団体陸山会」の土地購入をめぐり政治資金規正法違反罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の第2回公判。14日の東京地裁では元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の「隠し録音」が再生され、秘密のベールに隠されてきた供述調書の作成状況が再現された。尿管結石で緊急入院後の“病み上がり出廷”となった小沢被告は健在ぶりを強調したが、法廷に響く和やかな笑い声に、苦虫をかみつぶしたような表情ものぞかせた。
 「石川さん、録音機持ってない?」「大丈夫? 下着の中とか入ってない?」
 音声は、録音をしていないか、しきりに警戒する検察官の声から始まった。 
 石川議員は保釈後の昨年5月、東京地検に任意の再聴取を受けた際、ひそかにICレコーダーで録音。この音声データを記録したDVDが法廷で再生された。
 休憩を経て午後3時すぎに再開した審理。「ガサガサ…」。再生が始まると法廷全体が静寂に包まれた。
 「無罪になるわけないのは百も承知です」
 冒頭、近況などについて述べた後、ぽつりと石川議員が漏らした。一方、取り調べは所々で「はははは」という談笑が聞こえ、終始、和やかな雰囲気だ。
検察側が主張していた中堅ゼネコン「水谷建設」からの裏献金授受について、「常識で考えてと言いたいわけですよー」と笑いながら否定する石川議員の声も収められていた。
 小沢被告は初公判後に救急搬送され、10日に退院したばかり。体調を気遣う裁判長に「ありがとうございます」と満面の笑みを振りまいたが、再生の間は口を真一文字に結んだまま。
 顔に険しさが増したのは、石川議員が「政治資金収支報告書の提出前に小沢先生にも報告し、了承を得た」と供述したとされる調書の作成場面だった。調書は、小沢被告の有罪無罪を左右する重要な証拠だ。
 石川議員は小沢被告への報告・了承を認めた上で、報告時間が「『3分ぐらいだった』と入れてほしい」と、調書の訂正を要請。しかし、検察官が「それは根拠ないでしょ?」と退けると、小沢被告は目を閉じたまま眉間にしわを寄せた。
 午後4時すぎ。審理が終わり、次回も出頭するよう裁判長から促されると、小沢被告は「はーい、分かりました」と大きな声で返答。だが、延べ約6時間に及んだ公判の疲れからか、閉廷を告げられると席の背もたれに深く体を預けた。

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