「剛腕ではなく傲慢」「不快」 小沢氏会見、共感得るはずが…

「剛腕ではなく傲慢」「不快」 小沢氏会見、共感得るはずが…

2011.10.7 21:16 小沢一郎
 http://sankei.jp.msn.com/images/news/111007/trd11100721170013-n1.jpg
 初公判後の記者会見で質問者を指さす民主党の小沢元代表=6日午後、衆院第2議員会館
 初公判後に開いた記者会見を終え、6日深夜、腰の痛みを訴えて救急搬送された民主党小沢一郎元代表(69)。刑事被告人となった大物政治家は会見で自身の正当性を訴え、世論の共感を得ることを狙ったはずだった。だが、一夜明けた7日、小沢氏の思惑とは裏腹に、ネット上などでは「会見は逆効果」といった意見が目立つ。病状が「尿管結石」と分かり、安心した様子をみせたという小沢氏だが、世の趨勢(すうせい)を読み誤った対応が新たな悩みの種となるかもしれない。
 「三権分立を君はどう考えてるの?」「あんたの見解は?」。6日の会見で、たびたび記者へ逆質問した小沢氏。国民が不可解に感じている「4億円」に関する質問には「検察に聞いてください」と突き放した。
 こうした回答に、ネット上では批判的な意見が目立つ。会見を報じたニュースのコメント欄には、「質問に質問で返すのなら会見の意味はない」「剛腕と言われていたけど傲慢(ごうまん)」とバッサリ。小沢氏がこの裁判を「一時も早くやめるべきだ」とした点には、「裁判で説明すると言っていたはず」との指摘もあった。
危機管理コンサルタントの田中辰巳さんは「会見は批判を和らげるなど“解毒”のためのもの。だが6日の会見は毒が増した」と話す。会見時の小沢氏の心理状態については、「法廷で非常に『無念』を感じ、判断を誤ったことが考えられる」と分析。「危機管理の観点からは会見はやらない方がよかった」と話した。
 選挙プランナー三浦博史さんは「地元の熱狂的な支持者は『小沢さんが責められてかわいそう』と結束を固めるかもしれない」としながらも、「公開討論と違って議論に勝つ必要はないのに検察、マスコミ、視聴者すべてに不快感を与えた」と話した。
 「胸を張って出てきて、新しいことは何も言わない。やらないほうが良かった」。日本大学の佐藤綾子教授(パフォーマンス心理学)も同意見だ。佐藤教授によると、小沢氏が会見で演説を始めてから、最初の1分間で紙を見た回数は「31回」。「書いてある以外のことを言ってはならないという緊張感を感じた」という。
 佐藤教授は「国民に無実を訴える狙いは完全に失敗。会見の意味はなく、寝ていたほうが良かった」と手厳しい評価を下した。