【わが国も生物兵器保有を】90万人殺傷 水爆並の北の炭疽菌兵器 亡命兵士が持っていた謎の抗体との関係は?

 研究結果によれば、《北朝鮮生物兵器の散布にミサイルやドローン、航空機、噴射器を使用。あるいは罹患した人間を潜入させる》。

 エボラ出血熱の特効薬開発までの間、おびただしい数の人々が亡くなった惨禍も記憶に新しい。移動速度・距離の飛躍的進化は、惨劇加速を許す。自爆もいとわぬ工作員やテロリストが、故意に罹患して「海外旅行」を敢行すれば、地獄絵図をこの世で見る。

 

わずか15年で350万人強を殺した天然痘

 ところで、昨年暮れ、韓国の大手紙・東亜日報が運営するケーブル&衛星チャンネルのチャンネルAが、奇妙なニュースを報じた。

 出演した韓国の匿名情報関係者は、韓国に今年亡命した朝鮮人民軍の兵士4人の内の1人が、瀕死状態にもかかわらず、炭疽菌に対応する免疫能力(抗体)を働かせた、と証言した。ワクチン接種の結果なのか、炭疽菌感染の結果なのかや、兵士の氏名・階級&脱北日付などは不明だ。

 日本の情報機関筋によると、朝鮮人民軍は軍高官に炭疽菌天然痘ワクチンの接種を義務付ける。2002年には九州南西海域で、海上保安庁巡視船の船体射撃後に自爆した北朝鮮工作船を引き上げ、4遺体と4名分の人骨を収集。これら遺体や人骨の全てか一部のサンプルは、米国の要請で米国検査機関に送られたが、米国側の目的は予防接種歴であったとされる。明らかに米国の軍・諜報機関朝鮮人民軍生物兵器を警戒している。

 日韓軍事筋も、在韓米軍将兵が2004年以降、炭疽菌天然痘に対するワクチンを接種している、と明かす。

 これより先は、わずか15年で350万人以上を「殺戮」した歴史を刻む《天然痘》も踏まえ、話を進める。

 ソ連は冷戦中、核・生物・化学兵器を投じる西側攻撃を検討し、1990年時点で80~100トンの天然痘ウイルス製造能力も維持していた。問題はここから。91年のソ連崩壊で、科学者6万人が失職し、相当数が外国に離散した。一部細菌学者は天然痘ウイルスなどを「手土産」に、北朝鮮で研究に従事する。