【沖縄県知事選】選挙時、プロ市民の住民票異動

沖縄県知事選】選挙時、プロ市民の住民票異動
 
 
 
選挙時、プロ市民の住民票異動
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実は、辺野古は1950年代からおよそ60年もの間、米軍基地と共存してきた町。<br /> 米軍海兵隊が駐留する「キャンプ・シュワブ」と歴史を歩んできた。
 
3月9日放送のテレ朝「ビートたけしのTVタックル」。

 実はこの番組、放送が深夜に移ってから、私はほとんど見なくなってしまいました。
 関西では深夜0時半からという非常に遅い時間帯になってしまったこと、内容がライトになってしまったことが理由です。

 この日の「タックル」も【ニュースな町の酒場で聞いてみたSP】としかラテ欄に書いていなかったので、「あ~、またライトな話題なんだろう」と思って見ませんでした。

 ところが翌日、掲示板で大まかな放送内容を読者様に教えていただき(ミルルさん、いつも情報ありがとうございます)、これは是非見ておかねばということでネットで動画を見ました。

 沖縄の普天間基地移設と、太地町シー・シェパードの2本立て。
 現地の酒場に行って、地元の方々の本音を聞いてみようという企画。

 うち、普天間移設問題については、これまで地上波ではほとんど語られなかった内容が放送されて、少し驚きました。
 ネットですでに少し紹介されているようですが、今日はこれを改めて紹介させて下さい。

 今回は完全ではなく大ざっぱな起こしです。
 私の雑感も若干入っていますが、各人の発言は加工なしです。

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 大まかな内容紹介ここから________________________
 
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普天間基地移設問題の最近の経緯を説明するVTRのあと…
 沖縄県名護市辺野古の酒場では、どんな本音が語られているのか?
 ということで、番組スタッフが訪問。
 が、どのお店も取材NG。
 4軒目のお店がやっと取材OKしてくれました。
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まず最初に声をかけたお客さんの返答は、
 「基地はいらないです」
 「平和が好きだから」
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 お店のママは、辺野古生まれの辺野古育ち。
 番組スタッフがこう切り出しました。
 「辺野古の人たちが反対してるって、みんな思ってるんですよ」
 するとママは…
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 「反対は反対だけど、反対する意味が、あそこ(デモ隊)とこっち(辺野古)では違うよ。全然意味が違う」

 辺野古では移設反対デモが連日行われている。
 そのデモ隊と住民では「反対」の意味が違う?
 どういう意味なのか。

 するとお客さんから意外な言葉が…
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 「デモをしてる人達は、辺野古の人達じゃないから

 驚く番組スタッフ。
 「そうなんですか?!」
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 他のお客さんたちも口々に…

 「そうだよ」
 「みんなよそ者
 「よそ者だ」
 「そこで反対している人に辺野古の人はほとんどいない
 「そうだよね」

 さらにママは…
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 「本当に辺野古住民は(デモ隊に)迷惑してる。買い物しにいくにも何をするにしろ、車の前にも飛び込んでくるし、私たちは迷惑なの

 では、ママの言う移設反対の意味とは?

 番組スタッフが
 「ヘリポート海兵隊が来るのは反対?」と訊くと、

 「そういう事じゃない」
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 「辺野古は、軍の中の外人さんたちもみんな一緒に、運動会やったり、けっこう、いろんな行事もやるし」

 番組スタッフが「米軍と共存してきた町?」と訊くと、
 ママ以下、お客さんたちは「そうそう」と同調。
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 実は、辺野古は1950年代からおよそ60年もの間、米軍基地と共存してきた町。
 米軍海兵隊が駐留する「キャンプ・シュワブ」と歴史を歩んできた。
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 「報道陣も、そこ(上辺)だけ見て、ほんとに辺野古っていう集落を何にも見てないね
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 「だから、ほんとにそこだけを見て放送してるから、は?何やってんの?何言ってんの?と
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 お客さんの1人が
 「ここにいる全員、(移設)推進派だよね

 それを聞いた番組スタッフが
 「基地が来るのはしょうがないというスタンスなんですか?」
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 しかし、お客さんは口々に…

 「じゃないよ」
 「早く来て
 「明日にでも明後日にでも来て
 「みんな思ってるんでしょ?」
 「思ってるよね、はははは(笑)」

 但しママは、こう添えました。
 「建築業に勤めている人たちは、移設工事で生活できるから」
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 去年(2014年)1月の名護市長選では辺野古移設反対派の稲嶺氏が勝利し、差は4000票あまりだったが、これについてママが意外な話を…
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 「大きな問題があるの。選挙するために、よそからここに(名護市に)引っ越しした人がいるの

 お客さんの1人がすかさず
 「そう、そういう人もいるの」

 「ええー?!」と驚く番組スタッフ。
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「(容認派は)それで負けたの」
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「選挙で反対派が勝つためだけに、引っ越ししてきたんですか?」とスタッフ。
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 「名護市に引っ越してきた人が、何千人もいる

 お客さんも「けっこういる」と同調。
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 最初に「平和が好きだから基地はいらない」と言っていたお客さんは、「移設反対派に投票した」と話しました。
 基地を県外に移すことが沖縄県民の気持ちなのだと。
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 ただ、それが叶わない場合は
 「普天間にあるよりは、辺野古に来た方がいいかな」
 でも、本音はやはり…
 「反対なんだ、ほんとは。国のための負担なんだ。日本の為の…」
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 「どこかが受け入れないといけないんだったら、やりましょう。だけど(補償などを)ちゃんとしてくれという…」とママ。

 他のお客さんも「皆さんそうですよ」。

 ………以下、スタジオトークから主要なやりとり………

 司会の阿川佐和子
 「地元の人達が(世論調査で)8割が反対と言われていたが、あの酒場の話を聞いている限り、そうでもなさそう」
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去年の名護市長選について、辺野古への移設賛成派の仲村覚氏は…
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「名護市っていうのは北部でけっこう東側と西側と、こう分かれてて、辺野古区は、人口わずか1700人ぐらい。で、名護市は5~6万いますので、いわゆる、名護市の中の、ほんと少数派が、名護市で選挙をやると、実際は飛行機が飛んできても音の聞こえない人たちが投票するような、仕組みになってると。で、マスコミだけを見ると、すると、ああ、(基地が)ない方がいいのかなっていうので、そっちの方に行っちゃうと。ただ、名護市の人に聞いてみると、テント見に行ったことある?って聞くと、いや、行ったことないって人がほとんど
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 選挙のため数千人が引っ越してきたという、スナックのママの話について、沖縄に基地は要らないという前泊博盛氏が反論。
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 「キャンプ・シュワブの、あるいは辺野古の問題で言うとですね、市町村で実際に動いた数字データ、確認するとですね、総務省のデータ見ると700人ぐらいしか動いてないんですよ。だから数千人っていう数字はちょっと、(阿川「大げさ?」)大げさというか、事実がない。それで自然増がありますから、出生率高い所ですから、まあそれで増えてる分が200人ぐらいで、それを引くとだいたい500人ぐらいが動いたというふうな、見方もできるんですけどね」

 (反対派ですら、500人ぐらいは選挙のために入ってきたと認めざるを得ないのですね)

 パックンは「でも500人が移動したとしても、選挙にそんな大きな影響はないんじゃない?」と前泊氏をフォロー。
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 仲村氏がここで名護市長選の正確な投票数を提示。
 差は1588票。

 「ま、影響がないことはないぐらいの…」と言う仲村氏に、
 阿川氏は「影響ありますよね」。

 前泊氏は「だから、どっちの人が動いたかですね」。
 仲村氏もこれには「私も分からないですね、それは」。

 たけし氏は「そういうことを言う前に、鳩山元総理に文句言わないんだ。あんな言いたい放題言わせてだよ?」。

 ………VTRで鳩山由紀夫の発言紹介………
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 ………再びスタジオ………
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 前泊氏は「最低で県外ですけども、最高はきっと辺野古だったんでしょうね」と、スタジオの笑いを誘っていました。
 パックンが「でも本当に辺野古の皆さんが賛成であれば、1000人、2000人に電話で世論調査取れば、その数字が出るはずですよ」と疑問を呈したところ、仲村氏の見解は…
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 「でも沖縄の人けっこう、慎重なんですよ。辺野古移設反対ってさっきのママさんみたいに、はっきり、すぐに、いや、私は賛成ですよって言う人が、少ないと。それは空気が、『反対』以外のことは言っちゃいけないみたいな空気がある
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 一方、前泊氏は逆の意見。
 まとめると…

 軍用地主(米軍基地に土地を貸し収入を得る約4万4000人)に年間だいたい900億円ぐらいお金が入っている。
 1人当たり平均200万円ぐらい。
 一番たくさんもらっている人は年間25億円ぐらい。
 だから不労所得でお金をもらっている人は、基地移設に反対しづらい。

 また漁業補償の問題もある。
 漁業権を持ってる人たちに、埋め立てで補償金2000万円ぐらいが出る。
 するとやっぱり「もらおうか」という話になると。
 こういうお金が税金で払われていることを、国民は知っているのか?

 (仲村氏より前泊氏の方が喋ってる時間が長い!)

 ………普天間基地周辺の酒場でのインタビューVTR………

 では、基地がなくなる側の普天間周辺の住民はどう考えているのか?
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 このように沖縄に基地はそもそも要らない派の若者たちがいる一方、
 必要だと言う50代の女性は…
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 「山を普天間基地内に持ってるけど、だから自分はやってこれた、子どもを育てられたっていうあれがあるから、やっぱり、普天間なくなるね、大変ねって(言われる)」

 この女性のように米軍基地内に土地を持ち、地代を受け取っている軍用地主が沖縄県には約4万4000人いる。

 50代男性も基地は必要と主張。
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 「できたら、危なくない基地をたくさん沖縄に作って、沖縄の人をもう優先的に雇ってくれる県知事や市長がいたら(いいと)、みんなそれを望んでる」
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市長なんかも知事なんかも、沖縄の基地をなくすと言わないと、みんな投票しないから

 また、20代の3人組(男性2人・女性1人)は…
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 「基地はアメリカ人が勝手に作って勝手にできたもので、自分たちの持ってるものを奪っていったものだから、絶対基地はいらないものだし、危ないし」
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 「だからもう鳩山さんが言ってたみたいに、県外、国外とかで交渉してほしいなって」

 ここで女性が反論。
 「沖縄を守ってくれてる。軍人さん達が

 隣の男性がそれに反論。
 「でも戦争起きたら、すぐ沖縄叩かれるよ」

 女性がすかさず再反論。
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じゃあ中国が入って来たらどうするの?って感じじゃん」

 「………」
 男性陣は黙ってしまいました。
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 「もうめっちゃ尖閣とかに来てる
 とたたみかける女性に、隣の男性は
 「そこらへんはまた、自分たちが考えないといけないよね」

 (こう返すのが精一杯の様子でした)

 女性は基地容認派だが、そこにはある理由も。
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 「外人さんはめっちゃ羽振りがいいから。飲み方もすごいし。って聞いたら、それで(米軍相手に)商売してる人たちってどうするんだろうって

 ………再びスタジオ………

 ざっくりまとめると、

 普天間基地内に土地がある人は地代が入るから基地移設反対派が多い。
 基地外に土地がある人はお金が入らないどころか騒音被害・地価下落のため移設賛成派が多い。

 前泊氏は普天間の移設先には山口県岩国基地がいいという意見。
 仲村氏は、岩国は朝鮮に対しては有効だが、台湾、南シナ海から遠いので難しいという意見。

 あと、オスプレイの問題について仲村氏は、
 「救急病院がない離島は、オスプレイが来たら助かる命が増える

 アメリカ人のパックンは「過疎化してる地域に基地を作ればいい。各県にコンペ形式で募集するのがいい」と提案。

 基地が要るという地域があるのか?
 それが実はあったりする。
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 秋田県由利本荘市の居酒屋のママは、
 「カジノとか自衛隊の基地、持って来い!正直言ってそうですよ」
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 前泊氏が「原点は危険な普天間基地の撤去だった。撤去問題がいつの間にか返還問題に変わって、返還が移設問題にすり替わった」と主張したところで、コーナー終了。

 ________________________大まかな内容紹介ここまで


 仲村覚さんがこの日の番組の裏話をブログで披露されています。

 それによると、番組側は移設反対派として稲嶺名護市長に出演依頼していたそうです。
 が、稲嶺市長は出演を断り、かわりに前泊氏が出演することに。
 番組担当者はこう言ったそうです。
 「名護市長は結局逃げました」

 「最初の打合せ資料にあった中国の脅威が本番の脚本には無くなっていたので、中国の脅威に対する発言はテレビ局としてはNGなのかもしれません」など、他にも興味深い話が満載です。

 ぜひご訪問ください。


 さて、沖縄をはじめとする全国の各基地の反対派デモに、地元以外の人間や団体が参加しているという話は、稀にですが地上波でも報道されたことがありますよね(画像は2ちゃんねるより)。

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 このように「反対派デモによそ者多数」は地上波での“報道実績”はいちおうあります。

 ちなみに地元の琉球新報なんかは
 「県外から団体で支援 辺野古反対、連帯広がる」
 と堂々と見出しを打って、

【県内だけではなく、基地反対応援ツアーの団体をはじめ新聞記者OBや現役のジャーナリストらの有志らでつくるグループなど県外からの支援者が多く駆け付けた。】

富士国際旅行社(東京)が企画した高江・辺野古を応援するツアーは2回目で、今回は21人が参加した。同社のツアー担当者は「辺野古の現場で座り込みをしながら市民を支援したい、という要望は首都圏でも増えている」と話した。】


 と悪びれもせず記事にしたりしてますけどね(^_^;


 話を戻して\(^^\)
 今回の「タックル」が画期的だったのは、「選挙目当てで引っ越してきた人たち」の存在が報道されたことでしょう。

 深夜帯とはいえ、地上波でよく放送したなぁと。

 昨年の名護市長選の場合、選挙目当ての移住があったにしろ、確かに結果には大きな影響を及ぼさなかったと思われますが、これがもっと人口が少ない自治体の選挙だった場合、どうだったでしょうか?

 人口の少ない自治体では、わずか数十票が命運を分けてしまう可能性があります。

 先月の与那国島自衛隊配備をめぐる住民投票では、永住外国人のみならず、中学生を含む未成年にまで投票権を与えたことが問題になりました。

 この住民投票では187票の差がつきましたが、2013年の与那国町長選で当選した現町長と次点候補との差は、わずか47票差でした(15/2/23付拙記事を参照)。


 あと、仲村さんが、沖縄の「同調圧力」について話しておられましたね。
 これは基地問題だけでなく、集団自決問題など他のことでも見られます。

 沖縄のメディアが反米・反日一色なのを見ても分かるように、沖縄では自由な言論が封殺される圧力というか空気があります。

 逆に言えば、沖縄には実際は保守も多いのに、本土にはそれがなかなか見えづらい状況だと思います。

 仲村さんのようにネットなどで精力的に発信されている保守の方々もいますから、その方々と手を携えて、少しでも沖縄の言論空間を変えていく努力をすることが大事だと思います。